日銀出口戦略の影響と課題と嘘とは?

日銀の金融政策や出口論を正しく理解できずメディアの報道を鵜呑みにし、懸念を抱いていると、貴重な投資チャンスを逃してしまうだろう。

もちろん、日銀の金融緩和や出口政策に全く課題がないわけではない。

最大のチェックポイントは日銀の政策運営能力である。

かつて日本はリーマンショックで震源地の米国以上に生産が落ち込み大不況となったが、これは当時の白川日銀総裁が各国中央銀行が自国を守るために大規模金融緩和を行ったのに対し、日銀がショボイ対応しかしなかったために、円高不況を招いた。

しかも、笑えないのが、この円高を日本の銀行は欧米と違ってサブプライムを保有しておらず健全な金融システムを維持しているため、日本円は最強通貨となったなどと、多くのメディアは称賛し報道していた。

また、当時の与謝野馨経済財政担当相は、リーマンショックを日本への影響をハチに刺された程度と言っていたが、実際は大津波となって日本を沈没させた。

バカが権力を持つ恐ろしさは会社の上司などを想像すれば容易に理解できるだろうが、経済を動かす日銀や政府の影響度合いはレベルが違う。

話が逸れてしまったが、日銀の金融政策は今の日本経済にとっては合格点であり、出口戦略も抜かりなく実施できる能力を今の黒田日銀は備えており、安倍政権も当然ながら備えているだろう(増税は不味いが)。

よって、巷で言われている様な日銀金融緩和の限界論や出口の悪影響は杞憂に終わる可能性が高い。

日銀国債売却すると?金利上昇で損失?

2013年4月に白川前総裁から黒田総裁となり、それまでの「偽りの金融緩和」から「本物の強力な金融緩和」が実施され4年半経ったが、未だに目標とするCPI前年比+2%の物価上昇が達成できていないのはなぜか?

反日メディアやバカな学者は金融緩和の効果が乏しいと主張するが、それは100%間違いである。

金融緩和は100%効果を出しているが、それを相殺する愚策を反日メディアや学者が先導し、安倍政権も妥協し実施してしまっただろう。

あれだ、そう2014年4月の消費税増税である。

デフレとは需要不足の状態であるにも拘らず、更に需要を削ぐ増税を、しかも消費税という消費のボリュームゾーンの中間所得者層以下に最も負担の高い政策を行ってしまった。

その結果はご承知の通りで、その後に日本は景気後退にまで陥った

消費税増税の段階的引き上げを決めた民主党の野田政権や、バカなコノミストや、財務省、それを国民に煽る御用メディアは日本の害以外の何物でもないだろう。

その政策の失敗をリカバーするために、日銀は金融緩和の強化を行わざるを得なかったため、国債の保有残高が40%を超える国債市場の支配者となったのだ。

このような状況下で巷で懸念されているのが以下の2つではないか。

(1)「出口政策で国債売却 ⇒ 金利上昇 ⇒ 国債価格下落 ⇒ 日銀に損失が発生 ⇒ 日本の信任低下 ⇒ 為替・株・国債が暴落」

(2)「出口戦略で国債売却 ⇒ 金利上昇 ⇒ 景気回復腰折れ」

上記の2つの懸念を一般的な投資家は抱き、メディアも報道しているが、何れも杞憂に終わるだろう。

日銀出口で損失?信任毀損?

まず、そもそもが日銀は日本経済回復を目的としており、そんなバカな自爆行為をするはずがないのだが、もっと具体的に説明しよう。

まず、(1)だが日銀もFRB同様に国債売却ではなく国債の償還分の買い増しを行なわないことで緩やかに保有割合を減少させるだろう。

そして、もっと重要で多くの人が知らない真実が、金利上昇で日銀の保有国債が下落し損失が発生しても実は何の問題も発生しないということだ。

日銀の保有する国債は、償却原価法で計算しており、決算時に評価損失が計上されることなく、満期まで保有すれば額面償還されるのである。

しかし、時価を公表していることから、その含み損発生の時点を切り取って自己資本が劣化したとか、債務超過だとか騒ぐのである。

もちろん、オーバーパー(100円以上)で購入したものを、景気が強く高いインフレ圧力を抑制するために、金利上昇下で国債売却すれば日銀の損益が赤字になる事もありえるが、それでも大きな問題とはならないのだ。

黒田総裁は言っていたではないか、「中央銀行は継続的に通貨発行益が発生する立場にあるため、長い目で見れば必ず収益が確保できる仕組みとなっており、中央銀行や通貨の信認が毀損されることはない」とね。

そう、中央銀行は民間の銀行とは違って、赤字決算で債務超過から取り付け騒ぎが起こり、返済滞りでデフォルトなどは起こりえないのだ。

なぜならば、日銀は通貨を自ら生み出すことが出来、しかもその発行益が入る事で時間を経る程に健全化されていくのだから、理論的には永続が前提といっていい存在なのだ。

次いで(2)だが、そもそも金利上昇自体を悪と思い込んでいる投資家が多いがこれは大きな勘違いだ。

適切な金利上昇は景気安定には必須であり、今の日銀はそれを理解し実践している。

均衡実質金利という言葉を使って黒田総裁は説明していただろう。

均衡実質金利とは自然利子率とも言われ、長期的に資本や労働資源がすべて活用される金利水準である。

よって、景気回復力が弱い段階での利上げは、均衡実質金利を上回らない範囲で行うため、均衡実質金利を上回る水準まで実質金利を誘導する金融引締めではない金利上昇は全く問題がないのである。

そして、今の日銀はその重要性を非常に理解しており、かつてない程の信頼を置ける組織に変貌していると言っていいだろう。

ETF買入いつまで?限界は?

日銀が日本株買いによりETF保有残高が20兆円を超え、日本株全体の3%を保有していることへの懸念や批判している者は、この政策の本質を理解していない。

日銀のETF買入れは日本が持続的なインフレ経済へ移行するまで続くだろうし、いくら買っても問題など発生しないのだから限界などないのだ。

しかし、政策は生き物であり環境に応じて採り得る最善の手段は変化することを理解せねば、いつまで経っても政策の本質を理解できないだろう。

日銀は持続的な2%のインフレ経済への移行のための効果的な政策の1つが、今の内外を取り巻く経済環境を踏まえると、このETFの買い入れだと考えている。

当然ながら、国内のみならずグローバルの経済や政治など環境が変化すれば、日銀の採る政策も変わることとなる。

日銀は株価上昇による個人の資産効果、企業の信用コストの低下、ボラティリティ低下から投資家の株買い余力の拡大などを通じて、需給ギャップの縮小、期待インフレ率の引き上げが効果的だと考えているのだろう。

今の日本の対外環境からも、米国景気拡大が先行している中で、YCCにより日米金利差拡大で円安効果も期待でき、この日銀ETF買いは、逆風の中で大量に買入れ世間の批判や懸念を受けるのではなく、順風の中で最低限の買入れで効果的な政策であると想定しているのであろう。

日銀etf買入れの弊害?

日銀の日本株保有額は、トップのGPIFの36兆円に次いで20兆円の第2位だが、これを異常だと懸念を示すメディアが多く、私には一体何を心配しているのか理解できない。

世間一般でよく言われる1つに、日銀が大株主になる事でガバナンス(企業統治)が機能しなくなるといった指摘がある。

そもそも、日銀の保有分は信託銀行名義であり、議決権行使は運用者である信託銀行が行うため、昨今の日本版スチュワードシップコードの急速な浸透からも、日銀が超安定株主になることによるガバナンス機能低下はないだろう。

また、日銀はETFで日本株をパッケージ買うため、業績も将来性もない企業の株も買い上げるため、株式市場の個別銘柄の価格発見機能を低下させているとの批判もあるが、これも大した問題ではない。

割安になれば日銀が買うため、民間の投資機会を奪っているといった批判も一部の運用機関から聞かれるが、こんな事は日本経済に1ミリも関係ない。

日銀は日本経済を成長回帰する為にETF買入れを行っており、アクティブ運用のファンドマネージャーのパフォーマンスなんて、どーでもいいのだ。

民間の運用機関の運用実績が市場平均より少し下回っても、絶対リターン水準が高い方が、日本経済、日本国民にとってもプラスなのは明白だろう。

日銀ETF売却で株価下落?

日銀の日本株買いで多い懸念が、出口戦略でETF買入れ減額や売却の段階で株価急落するのではないかとのことだ。

これも短絡的な発想であり、日銀は当然ながら内外のマーケット環境との兼ね合いの中でETF売却を進める。

今の様なまともな政策担当者であれば、出口政策でこれまでの苦労を無にする株価急落させる様な自爆行為をするはずはないだろう。

それはただの大バカな日銀を想定しているに過ぎず現実的ではないだろう。

日銀がETFを売る時は日本株が好調な時であり、日本の株式市場の1日の売買代金は2兆円以上が活況とされるが、その場合、一日の売買代金の3%の売り(600億円)で1年間数カ月で今の20兆円くらいは売り切れるし、インフレ経済で株式市場も拡大していればもっと早期に売り切る事も可能だろう。

そして、日銀ETF買入れで最も多い懸念が、日銀の買値を下回って株価が下落すれば、含み損が発生し債務超過にでもなれば、日本の信任が毀損されるのではないかとの指摘だ。

これも、上述したが、日銀はそもそもが事業会社とは全く性質が異なっており、破綻することはありえない存在なのだ。

国債の民間金融機関から日銀への移行も、今後のインフレ経済を見据えて、期間損失を民間から日銀にわざと移転させているのだ。

なぜならば、永続的存在の中央銀行の日銀は実質的な債務超過になっても理論的には支障がなく、通貨発行益から長期では収益が積み上がり改善する仕組みとなっているのだから。

民間の金融機関とは似ても似つかないのである。

そもそも、日銀や日本の信任が損なわれるって何だ?

通貨暴落か?

ならば、日本株が暴騰することは今の円安と日本株の相関からも理解できるだろう。

株価暴落か?

グローバルな複雑な関係性の中で企業価値は成り立っており、日銀や日本の信任の毀損といった曖昧な事象で、日本株が暴落することは全く想像できない。

国債の暴落か?

ならば、日銀が買えばいいだけだ。

好き勝手書かせて頂いたが、もちろんこの世の中に100%はなく何が起こるかわからないのがこの世界だ。

しかし、発生確率が限りなく小さい事に重きを置いていると人生はきっと上手くいかない。

100%正しい選択をするための完全情報が存在しないなか、想定できる実現可能性の高い未来を想定し選択を重ねていくのが最善の行動だと思う。

日銀金融政策は危険か?

中央銀行のetf買入れは欧米では例が無く異例であり危険だといった批判があるが、この発想こそ危険だろう。

20年近く成長しなかった日本経済の方がよっぽど世界的に異例であり危険なのだ。

成長しない経済は衰退しかなく、未来も希望もなくなり悲惨な状態となる。

それは、バブル崩壊後の20年デフレで自殺者も年間3万人と先進国トップとなり、停滞しきった日本経済を振り返れば明らかだろう。

しかし、アベノミクスで日本経済は復活の兆しが確実に芽生え、自殺者も2万人台へと急速に低下し、犯罪率も低下してきており、未来への希望が持てる社会へと変貌しつつある。

これまでの異例な経済を正常な状態に戻すためには、異例の劇薬的な政策が必要なのだ。

慢性化した病、染まり切った悪習を断ち切るには、正常な患者の風邪と同じ対処法では完治しないのは当然だ。

異例で異常な日本経済を正常に戻すために、異例な政策対応を行っている事を理解し、支援しなければ、また過去の希望が持てない衰退していく日本へ、無知で私利私欲の連中に引きずり戻されてしまうだろう。

それだけは決してさけねばならない!将来、子供たちが希望と誇りを持てる国にするためにも。

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