円売り介入?あるわけないだろ!

ここもとの円高を受けて、大半のメディアや投資家は円売り介入を本気で期待し、その可能性を意識しているようだが、これは全く滑稽だ。

 

なぜならば、実は円売り介入は短期のアナウンスメント効果しかなく実体経済に影響を及ぼさないのだ。

 

更に、今の各国の政治状況、特に米国の本当の狙いをわかっていれば、日本に円売り介入の選択肢などあるわけがない。

 

しかし、メディアでは本質から大きくずれた議論が行われている。これを真に受けて投資判断を行っているとヒドイ目に合うから気を付けねばならないだろう。

 

では、先週末からのメディアの動きを少し振り返って見るとする。

 

4月14日の日米財務相会談で麻生財務相は、最近の為替市場での一方的に片寄った動きに懸念を有していると円高に警戒感を示したと報じられ、円売り介入期待が高まったとされていた。

 

しかし、翌日のG20後の記者会見で、ルー米財務長官は「最近は円高が進んだが、為替市場の動きは秩序的だ」と述べ、日本政府が円安誘導に動くことを牽制したと報じられている。

 

全くもって出来の悪い喜劇だとしか言いようがない解釈だ。

 

なぜだかわかるだろうか?

 

そもそも、日本は円売り介入など実施する気は全くないと見ていいだろう。

 

なぜならば、その効果がないことは安倍首相も黒田日銀も理解しているし、恐らく麻生財務大臣もわかっていると信じたいが・・・

 

では、なぜルー米財務長官は円売り介入に釘を刺すような事をいったのか?

 

それは、これまでの麻生財務相の発言から本質を理解していない人物であり暴走を警戒したのと、日本も政策の失敗を繰り返してきた実績があるから、解り易く釘を刺したのだろう。

 

では、米国の日本への要求は何か?

 

明白だ。

 

それは、内需拡大以外にはありえないのだから。

 

では、その内需拡大のために日本は何をすべきと米国は考えているのか?

 

日銀の追加緩和と財政出動なのだ。

 

そう、安易で効果のない円売り介入で外需に頼ろうとする発想から脱却し、デフレ脱却しインフレ経済への移行を確かなものにしろと、至極真っ当なことを米国は要求しているのだ。

 

ところで、円売り介入が実体には効果がないことを多くのメディアや投資家が知らないことに驚かされるのだが、皆さんはご存じでしょうか?

 

円売りドル買い介入をする場合、1993年3月までは政府短期証券(FB)を発行しその全量を日銀が直接引き受けて資金を調達していた。それが、2000年4月からはFBの市中完全入札により介入資金を調達しており、日本の債券市場において政府短期証券(FB)を発行しているのだ。

 

わかるだろうか?

 

もっと砕けて言うと、今の円売り介入の仕組みでは、日本の債券市場から資金を吸収して為替市場で円売りを行うので、円の総量が増えないから、需給に影響は及ぼさないのだ。1993年3月までは、日銀が直接に引き受けていたから円の総量が増えていた。

 

ここまで言うと何が円安に誘導する政策かわかったのではないだろうか?

 

そう、日銀の量的金融緩和こそが円の総量を増やし円安効果があることはアベノミクス以降の円安からも理解できるだろう。

 

そして、米国も日本に望んでいるのが日銀の追加緩和なのだ。

 

なぜならば、追加量的緩和こそが日本の内需拡大に必要だからだ。

 

リーマンショック後に米国が巨額の量的金融緩和を行い、世界で最も経済が回復し今もなおトップを走り続けていることからも、その政策効果はわかるだろう。

 

日本では円高に懸念が示されると、すぐさま円売り介入が望まれるが、そうではないのだ。

 

円高抑制に最も効果があるのが量的金融緩和であり、しかもこれは内需拡大をターゲットにしていることから、米国からも本気で批判はされることはない

 

米国が日本の量的金融緩和を批判すれば、これまで行ってきた自国の量的金融緩和を否定することに繋がることくらいわかるだろう。

 

これでわかっただろうか?

 

今メディアで騒いでいる円売り介入云々の話は茶番か頭の悪い人達の勘違いなので、それを理解したうえで投資戦略を構築することが、リターン向上に繋がるであろう。

 

日々繰り広げられる茶番に踊らされない様にするには、自分の頭で咀嚼する以外に道はないだろう。

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