一流の為替分析法とは?

先週から円安方向に推移してきているが、その理由を明確に理解できていれば、為替も株もその方向性を読み解くポイントが見えてくるだろう。

 

多くの大衆投資家やプロでもそうだが、為替の方向性を予測する際に、最も重要視しているのは何か?

 

そうだ。金利差で為替分析することがある意味常識とされているだろう。

 

しかし、単純にこの金利差だけを見て投資していると負け組決定になってしまう。

 

これは、今年に入ってからの動きを見ても明らかだろう。

 

1月末の日銀マイナス金利導入時の以下の為替相場を見てほしい。

 

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日本がマイナス金利になることで、日米の金利差が拡大しドル高円安になると多くの投資家が思い込み、実際に政策発表当日は円安で反応した。

 

しかし、その後はどうだ?

 

そう、円高に反転し急速に円高推移の相場となっただろう。

 

なぜだかわかるだろうか?

 

この背景を理解できていれば、為替も株もその方向性を見るべきポイントを理解していると言えるだろう。

 

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そうだね。為替は金利差といっても実質金利に反応するのだ。

 

つまり、日銀のマイナス金利導入で実際に日本の国債利回りは10年以下がマイナスに転じて、名目の日米金利差は拡大したが、実質金利ベースで見ると日本の実質金利が上昇することで、円高となったのだ。

 

わかりますか?

 

もっと、砕けて言えば、名目金利が下がってるのに実質金利が上昇するといことは、期待インフレ率がもっと下がっていることを意味するのだ。

 

「実質金利=名目金利-期待インフレ率」

 

上記の式を見れば理解できるだろう。

 

名目金利が下がれば、実質金利も下がる圧力となるが、期待インフレ率が名目金利以上にもっと下がれば実質金利は上昇するのだ。

 

これが、1月末の日銀マイナス金利導入によって発生したから円高で推移することとなったのだ。

 

では、なんで期待インフレ率が下がったかわかるだろうか?

 

期待インフレ率が下がるってことは、将来的に物価は上がらないことを示している。要は需要が喚起されないと市場が認識したこということだ。

 

そうだ。マイナス金利導入では、需要を喚起し景気を良くするには物足りないと市場が判断したのだ。

 

まぁ、これは当然だ。

 

今市場が求めているのは、金利の低下ではなくて、流動性供給なんだから。

 

ここもマーケットを見る上でのポイントだ。

 

リーマンショックの時、金融機関の破綻が懸念されたが、その時の何が懸念されていたか覚えているだろうか?

 

そう、流動性だ。

 

金融危機は流動性の枯渇がもたらすが、危機とまでいかなくとも不景気も同じ仕組みである。

 

流動性が足りないから不景気となる。

 

これが深刻になったのが、日本が経験したデフレだ。

 

そう、デフレとはまさに流動性が足りないから、多くの経済主体がお金を懐に溜め込もうとするのだ。

 

では、そのデフレや不景気を解消するにはどうしたらいいか?

 

そう、流動性を十分に供給してやれば、お金を懐に溜め込まずに使い出すこととなるのだ。

 

ここから為替の方向性も読み解くことができる。

 

つまり、日米の流動性増加量が多い方が安くなるということだ。

 

これを、簡単な式で示しておこう。

 

「円の流動性=日銀のマネタリーベース×貨幣回転率」

 

この式からも日銀マイナス金利導入で円高に振れたことがわかるのではないか?

 

つまり、期待インフレ率が下落したということは将来の需要は低下だから貨幣回転率は下がることとなる。

 

そうすると?

 

そう、円の流動性は減少することとなり、円高圧力となるのだ。

 

為替も株も需給で動く。

 

その需給へ影響するプロセスを如何に読み解くかが重要なのだ。

 

話が横道に逸れてしまったので戻そう。

 

では、先週から円安へと反転したその理由はもうわかるだろう?

 

そうだ。実質金利の低下つまりインフレ期待が高まっているのだ。

 

その理由はわかっていると思うが、今週の日銀の追加緩和期待が高まっているからだ。

 

だが、市場では間違った認識をしているメディアや金融関係者が多いから気を付けた方が良いだろう。

 

ここまで読んで下さった読者ならわかるだろうが、今の円安はインフレ期待が高まっているからだ。

 

であれば、円を売っている海外投資家はどんな日銀の政策を期待しているかわかるだろう。

 

100歩譲ってもマイナス金利幅の拡大でも、マイナス金利貸し出しでもない。

 

そうだ。量(国債買入れ増額)と質(ETFとリート追加購入)なのだ。

 

上記の式からも解るだろう。

 

量が増えればマネタリーベースは増える

 

そして、質を強化すればインフレ期待が高まり貨幣回転率が高まる

 

そう、円の流動性が増加し通貨安とインフレを後押しすることとなるのだ。

 

このポイントを押さえた上で日銀政策決定会合の内容を見極めた方が良いだろう。

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