マイナス金利深堀で銀行株暴落?要因はそこじゃない!

多くのメディアや投資家は勘違いしているが、マイナス金利の深堀すれば銀行株が暴落すると思っている。

 

7月末の日銀金融政策決定会合にて、マイナス金利幅を現状維持としたが、それで銀行株が上昇したと報じているメディアやブログも散見された。

 

しかし、これは全くもって見当違いだ。

 

銀行株の投資判断をする際に、見るところはそこじゃないのだ。

 

確かに、1月末のマイナス金利導入によって長期金利が急激に低下し一時は20年国債までもがマイナス利回りとなり、銀行の貸し出し金利が極限近くまで低下することで銀行の収益を圧迫したことは確かだ。

 

また、8月13日に金融庁が日銀のマイナス金利政策が3メガ銀行グループの2017年3月期決算で少なくとも3000億円程度の減益要因になるとの調査結果をまとめ、日銀に懸念を伝えたことからも、マイナス金利が銀行株の投資判断に重要と思ってしまうのもある意味仕方ないだろう。

 

だが、仮に9月日銀政策決定会合にてマイナス金利を深堀しても銀行株が上昇トレンドに回帰する可能性もあるのだ。

 

わかるだろうか?

 

確かに、1月末日銀政策決定会合でマイナス金利導入で銀行株主導で日本株は下落に転じた。

 

しかし、これはマイナス金利導入が主因ではない

 

日銀の金融政策のパッケージとしての組み合わせが不味かったのだ。

 

マイナス金利政策自体はそれはそれで必要な政策なのだ。

 

しかし、マイナス金利政策だけの追加緩和であったため失望されたのだ。

 

銀行株が最も連動するマーケット指標は何かご存じだろうか?

 

その一つがマネ―ストックだ。

 

世の中に出回っているお金の総量のことで、日本銀行を含む金融機関全体から、経済全体にお金がどの程度供給されているかを見るのに利用される指標で、民間部門の保有する通貨量の残高だ。

 

もっと、簡単に肝の見るべきポイントを言うと、今日銀が国債を年間80兆円を銀行を中心に買い入れているが、その資金を銀行が貸し出しに回せばこのマネ―ストックは増加する。

 

そう、銀行の貸し出し、つまり景気回復から銀行の信用創造が活発化すれば市中の貨幣総量が増加することとなるのだ。

 

しかし、実際には日銀が銀行から買い入れた国債のマネーは貸出などで市中へは流れずに、日銀の当座預金に還流し豚積みされているのだ。

 

ここで、何が問題がわかるだろうか?

 

そうである、量的緩和したマネーが融資や株などへ流れずに、日銀に還流することが問題なのだ。

 

しかしこれは当然の帰結だ。

 

実需の需要乏しく、市場金利が0%近傍のなか、日銀当座預金は+0.1%の付利がつくのだから、銀行からすれば日銀当座預金に還流させることが合理的な投資行動なのである。

 

では、どうすればこの緩和してじゃぶじゃぶのマネーが実体経済や株といったリスク資産へ向かうのか?

 

マイナス金利を深堀すれば良いのか?

 

そう実は、世間では最悪の評判であるマイナス金利も一定の効果を発揮しているのだ。

 

日銀当座預金の付利の一部をマイナスにすることで、これまでのように豚積みされなくなるのだ。

 

日銀の狙いは、株などのリスク資産と企業への貸出へマネーの流れを向けさせることなのだ。

 

実際にマイナス利回りの国債を避けて期間の長いプラス利回りの国債や社債など、これまでよりリスクをとった資産へ資金が向かった。

 

とはいへ、あくまで国債の延長線上での債券といった枠組みでの投資であり、株とか貸出といった本来の景気回復やインフレ移行期でみられる、ポートフォリオリバランスにはほど遠いが。

 

つまり、マイナス金利はあくまで補助的な政策の位置づけであって、これでデフレ脱却はできないのだ。

 

経営者に聞いて見るといい。

 

経済は悪いけど金利下げるからお金かりてと?

 

借りないだろ普通は。

 

では、逆に金利は高いがこれから経済は良くなるから借りてよと。

 

そう、経営者からすれば、そもそもが需要がなければ資金は借りないし、コスト以上のリターンを生むような経済状態でなければ投資はしないのだ。

 

これでわかっただろうか?

 

今の日本経済に必要なのは金利の低下よりも、需要を生み出し景気を良くすることなのだ。

 

そのために、金融政策で何ができるのか?

 

そうだ、量的緩和と質的緩和の強化である。

 

これは世界の経済学では常識だが、デフレとは金融問題なのだ。

 

つまり、金融政策で解決できるのがデフレなのである。

 

もし、仮に無限に日銀がお金を刷り国債やら社債やらETFを買いまくってもインフレにならないだろうか?

 

そう、100%インフレになるのだ。

 

日銀が異次元緩和や追加緩和する際にも、一昔前は、そんなことすればハイパーインフレになるとかデタラメナことを言っていた識者が多くいた。また、一方でその彼らは量的緩和なんてデフレに効果がないとも言っていた。

 

どっちやねん!

 

少し考えればわかるが、お金を刷りまくってもインフレにならないならば、日本は世界中の資産を買いまくり格差問題なんてない程に裕福な国になるだろう。

 

しかし、現実は違う。

 

そう、お金を刷りすぎると物価が高騰しお金の価値が減少するのだ。

 

いわゆるインフレだ。

 

こんなことは需給の法則から常識だろ。

 

だから、量的緩和はデフレには正しい処方箋なのだ。

 

だが、日本はデフレを20年近く続け、しかも2014年に消費税率引き上げもしてしまったことから、更に量的緩和を強化しなければ期待が上向かなくなっているのだ。

 

金融政策の本質は、黒田日銀総裁も期待というキーワードを良く使っているが、まさにこれからインフレになるぞっという期待を市場に認識させ、その期待に沿った投資行動を投資家に採らせることなのだ。

 

バーナンキFRB議長もリーマンショック後に、景気が良くなるまで量的緩和を維持するといっていたではないか。

 

また、マリオ・ドラギECB総裁も欧州危機の時に、債務懸念国はデフォルトさせない、私を信じろ!と言っていただろ。

 

これで、マーケットは彼らの思惑通りに動いた。

 

そう、実際の政策を発動する前に相場は期待で動くのだ。

 

これこそが金融政策の本質なのだ。

 

この金融政策の本質を黒田日銀総裁は理解していると信じているし、これまでの総裁の発言からも理解できている日銀では貴重な方なのだ。

 

話しがあっちゃこっちゃ行ってしまったが、要は銀行株の方向性を見る上でマイナス金利幅の拡大とかはほとんど関係ない。

 

マイナス金利の深堀があったとしても、量の拡大など他の組み合わせで市場の期待を上向かせることができれば銀行株は上がるのだ。

 

しかし、市場の多くの参加者はこの長短金利差やマイナス金利で銀行株の収益を考えるため、株価は一旦はそのような反応を示す

 

だが、銀行株を見るべきポイントを理解していれば、どのような投資判断をすべきがわかるはずだ。

 

しかし、金融庁の調査結果は9月の日銀政策決定会合にて、マイナス金利政策の「総括的な検証」の材料になるようだから、マイナス金利深堀はないと思うのだが。

 

金融庁に言わせるくらいだから、そういうことだと思うのだが。

 

まぁ、効果ある追加緩和をしてくれれば日本経済は復活するので、それでいいのだが。

 

では、ほな、またね!

 

 

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