ポケモンGOの任天堂株が暴騰し買われる理由とは(2)

前回、ポケモンGOを材料に任天堂が急騰し続けている理由をネットゲームのビジネスモデルから説明した。(忘れた方はこちら⇒ビジネスモデル

 

今回は、任天堂がポケモンGOを材料にPRR90倍以上まで超割高に買い進められている理由をプロの運用担当者の視点から説明してみよう。

 

そもそも一体誰が任天堂(7974)を買い上げているのだろうか?

 

それはポケモンGOの海外での大ヒットを材料に個人投資家の買いが火を付けたのは間違いないだろう。

 

もちろん、ポケモンGOの任天堂への業績インパクトを先取りしたプロの運用機関やヘッジファンドなどの買いもあるだろうが、ここまでバリュエーションを無視した買いを行うのは材料株好きな個人投資家が原動力になっている。

 

プロは説明責任があるため論理的に説明でないものにはすすんで手を出さない

 

しかし、任天堂はかつてのミクシィとかガンホーといった材料株とはモノが違う。

 

任天堂にはプロである機関投資家の巨大なマネーを巻き込む仕組みが備わっているのだ。

 

わかるだろうか?

 

そう、任天堂(7974)は東証一部上昇銘柄であることからインデックス運用の買いが機械的に入ってくるのだ。

 

東証一部上場株価指数(TOPIX)は時価総額加重指数であり、年金マネーをはじめ投資信託でもこのTOPIXに連動を目指す運用が主流なのだ。

 

つまり、任天堂株がどんなに割高に買われても、TOPIXへの連動を目指すなら買わざるを得ないのだ。

 

しかも、TOPIXを上回るリターンを目指すアクティブ運用ならば、他のアクティブファンドが任天堂をTOPIX構成比より多く持っていたとしたら、それと同等以上に任天堂を保有していないと他のアクティブファンドにリターンが劣ることとなる。

 

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今のプロの運用の世界は非常に厳しく他のアクティブとの相対リターンで劣るようだと直ぐに解約され資金流出してしまうから、超割高銘柄であっても買わざるをえないのだ。

 

そう、プロの運用の世界はTOPIXを基準にしたベンチマーク運用であるため、急騰した任天堂をいやでも組み入れる仕組み(パッシブファンド)と、他のアクティブファンドに負けないためにパッシブファンド以上にもっと任天堂株を買うインセンティブが発生するのである。

 

これは90年代のITバブルでも発生していただろう。

 

ITと付くだけで赤字の会社でも信じられない株価になったり、単なる携帯販売会社の光通信が新日鉄の時価総額を超えて買収観測がでたりと間違った思惑で株価が暴騰したが、東証一部上昇銘柄であるがゆへにそれでもその株を買わざるをえないパッシブファンドと、他のアクティブに負けないために更にもっと買わざるを得ない現象が発生していた。

 

しかし、ITバブルが弾けたあとの光通信をはじめとしたバブル銘柄はストップ安で値が何日もつかないといった悲惨な状況であった。

 

そう、買いが買いを呼ぶループが逆回転したときの売りループの威力もまたTOPIX銘柄は過熱後ほど恐ろしいものがあることを認識せねばならない。

 

しかも今はAI(人工知能)を搭載した自動売買(クオンツファンド)が日本株式市場では跋扈しているため、ポケモンGOがネットでポジティブな話題が出れば出る程、このコンピューター売買の影響も加速していくことになる。

 

今の株式市場は、上にも下にもオーバーシュートする構造になっているのだ。

 

だからこそ、その構造を理解しておかなければ負け組投資家になってしまうであろう。

 

念のために言及しておくが、とはいへ一概に今の任天堂株が過熱しているから売りだと言っているのではない。(買いともいうわけでもない。どっちなんだ!?)

 

では、次回はポケモンGOの何が凄いのかを少し違った角度から検証することとする。

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