トランプ大統領の政策の本質をわかりやすく説明しよう!

トランプ相場に懸念を抱き始めているのは相場の大きな流れを読めない大衆投機家たちであろう。

大衆投機家がトランプ相場に懸念を抱く根拠は何か?

それは、いつもそうだが過去との対比での割高感である。

確かに対比は大切だ。

人間が物事を判断する場合は、いかなる時でも比較して価値を判断するものである。

給与が同僚と同じ30万円と、一方で給与は50万だが同僚が80万なら、人が不満を持つのは後者なのだ。

比較から物事を無意識に判断してしまう習性が人間に備わっていることを意識的に理解しておかないと相場世界では一瞬でケツの穴の毛までむしり取られてしまう危険性があるだろう。

逆に、そういった人間の習性を理解しておけばチャンスを見出すことも可能となるのだ。

そして、恐らく今がまさにその典型的な局面だと思われる。

昨年2月に世界的に株式市場がボトムを打ち反転、更に11月からのトランプ相場でリスク資産の買いが加速したが、この流れに乗れていない投資家ほどトランプ相場の持続に懸念を主張するだろう。

なんせ、トランプ相場に乗らなかった自分の判断を正当化しようと人間は無意識に行うものだからだ。

人間には共通して備わっている原理原則があるが、それは相場も経済も同じなのだ。

話が逸れまくっているので戻そう。

では、なぜ大衆投資家はトランプ相場の持続に懸念を示すのか?

それは、急速に株価が上げ過ぎたため上値余地が小さいと感じている。

また、少し相場を知っている投資家が見て懸念を感じているのがソフトデータとハードデータの乖離が大きくなっていることだろう。

ソフトデータとは景気先行指標である消費者信頼感指数とかISM製造業指数といったいわゆるアンケート調査から測る消費者の意識調査だ。

そして、ハードデータがGDPとか雇用とか設備投資とか実際の経済活動からもたらされる結果としてのデータだ。

米国はこのソフトデータもハードデータも好調だが、ソフトデータの改善度合いが相対的に大きいことから期待先行が行き過ぎており、この行き過ぎが修正されると考えているのだ。

もちろん、行き過ぎは修正される。

大衆投資家はこの修正がソフトデータの低下(期待が低下)して、現状のハードデータに鞘寄せすると、つまり株価も低下すると考えているようだ。

しかし、残念ながらこのシナリオは今のトランプ相場には当てはまらない可能性が非常に高い。

もちろん、今の相場を過去の延長線上で考えるならば、そのシナリオの妥当性も十分ある。

だが、今は過去の延長線上ではなく既存のパラダイムを破壊し新たなパラダイムへの移行をトランプ大統領は行おうとしているのだ。

それはトランプ大統領の政策が今の局面でやる意味を考えれば明らかであろう。

今の米国は景気サイクルからしても回復局面だ。

常識的に考えて景気対策ってどういう時にするのか?

そうだ、不景気や危機的な経済状態の局面で行う。

しかし、トランプ大統領は景気が回復している局面で大規模な経済政策の実施をしようとしている。

しかもこのトランプ大統領の経済政策のインパクトは半端ではない。

インフラ投資で1兆ドルを掲げているが、このインパクトがわかっている投資家は実は少ない。

100年に1度と言われたリーマンショックの局面でオバマ元米大統領も大幅な財政対策を行ったが、それでも2750億ドル程度であった。

それが、トランプ大統領はその3倍以上の規模の財政出動を行おうとしている。

しかも、金融危機でもない景気回復しているこの局面でだ。

これが何を意味しているか?

トランプ大統領の政策がどのような背景で生まれ、その政策がもたらす意味や影響をわかりやすく説明しているメディアは殆ど皆無である。

殆どのメディアの報道の影響もあり、多くの投資家は過去からの延長線上で物事を判断しと大きく今後の予想を見誤ることとなるのだ。

しかし、トランプ大統領はまさにパラダイムシフトを起そうとしているのである。

では、トランプ大統領は如何なるパラダイムへのシフトを行おうとしているのか?

それは、低インフレ経済から高インフレ経済へのシフトである。

これは、トランプ大統領が誕生した昨年11月以前から世界共通の課題としてG20やG7でも認識されていたものである。

しかし、なかなかこの低インフレからの脱却を課題として認識しつつも実行に大胆に移せなかったのだ。

その代名詞が欧州であろう。

ギリシャやイタリア、スペインなど極度の不景気なのに緊縮が行われ疲弊しまくっている。

だから、欧州では英国のブリグジットはじめ極右政治が勢力をましているのだ。

低インフレとは需要不足であり下手すりゃデフレとなる危険性のある活気のない景気の状態である。

そして、この低インフレ経済が続けば格差拡大が助長され、社会に不満を持つ者が増え、社会が混乱することで景気が更に悪化し、そしてまた格差が拡大する負のスパイラルに嵌るのである。

では、なぜ低インフレ経済で経済格差が拡大するのかわかるだろうか?

これは21世紀の資本でトマ・ピケティが指摘していたのでご存じの方も多いかもしれないが、低インフレ経済だと需要が弱いことからレバレッジをかけた運用が横行する。

つまり、株価上昇が低いことから、元本以上の投資を信用取引で行い収益率を高めるのだ。

この高いレバレッジをかけた投資は経済が悪化すれば、高レバレッジな程そのダメージが大きくなる。

だがら、ベアスターンズやリーマンなど超一流の投資銀行は一瞬で吹っ飛んだのだ。

つまり、高レバレッジの相場は経済に変調が起こった際に、クラッシュする危険性が高いくなる。

そして、金融市場と実際の社会、経済は無縁でなくリンクしていることから、金融市場の悪化がダイレクトに実社会へ反映されるのだ。

金融市場のダメージがどう実社会に反映されるのか?

金融機関が潰れると思われると銀行間の貸し借りも止まり、銀行からお金を引き出そうと個人はするだろうし、そうなると更に銀行は貸し出すどころか貸しはがす必要が出てきて、経済の信用取引が縮小し経済も悪化することとなる。

そうなると、一番ダメージをうけるのが労働者である。

労働者は自分の給与でしか所得を得ることができないから一気に困窮する。

さらに、一旦失業するとキャリアの断絶から以前より良い条件での転職も難しくなる。

一方で資金豊富な一部の富裕層はどうか?

不景気になり金融資産が大きく下がれば笑顔となり更に裕福になるのだ。

そう、大きく下がった株をしこたま買うのだ。

そして、政府は遅かれ早かれ経済危機脱却のために(富裕層の懐を更に肥す)景気対策を行い株は上昇する。

そう、低インフレ経済は高レバレッジを生み出すインセンティブとなり、それが金融市場の変動を高め、所得格差の拡大を助長することとなるのだ。

そして、この低インフレ経済の行き着く先が、国民の不満から社会が不安定化し、また景気悪化といった負のスパイラルである。

だから、この閉塞感壊すためにトランプ大統領は誕生したのだ。

そう、トランプ大統領の誕生は、まさに歴史的必然!?ではないだろうか。

低インフレ経済を破壊し、全国民のパイを増やす高インフレ経済へ移行させるために

大きな流れの中で考える事で今起こっている事象の本質は見えてくる。

離れて引いて見る(全体の中で俯瞰)、比較する(過去と横の国際関係)ことをあれやこれやしながら全体の構造が見えてくるのだと思う。

構造が見えれば、そこから何がアウトプットされるか必然として解ってくる。

今回、トランプ大統領の政策の本質をわかりやすく説明しようと試み、それがどの程度達成されたかは解らないが、投資家ならば経済政策が実社会、実体経済へ与える影響を正しく理解する事は非常に大切だ。

なんせ政策次第で経済は如何様にでもなるのだから。

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