トランプ保護主義の影響と意味その本質とは

保護主義、ナショナリズムが台頭する理由

グローバル化が進めば進むほど、社会としても、個人としても分断されていく。

個人が社会から分断されと、人は自分の殻に閉じこもってしまう。

社会が液状化するからナショナリズムが起こるって多くの人は思っているが、これは間違ってはないが主因ではない。

そもそものナショナリズムは、民族主義とか、日本国民としてとかの国民国家の自由、発展云々の意味合いだ。

しかし、今、欧米中心に起こり呼ばれているナショナリズムは根本的にそれとは異なっている。

このニュアンスの違いに気づいていれば、今の世界、これからの世界の動きが見えやすくなるだろう。

いい大学出て、いい会社入ってこそ幸せになるって云々の既存のレールが無くなってしまうと、人は不安になり、暗闇の中にポツーンと存在している感覚に陥ることで、社会から分断され自分の殻に閉じこもる個人化が進み、社会の基盤、暗黙のルールが壊れていくこととなる。

そうすると人は、その不安から逃れるためにもがき苦しむ。

そして、その不安から逃れる事ができるのではと彼らが期待し呼応したものが、たまたま今のナショナリズムと呼ばれるものなのだ。

これが解り易く世の中に出始めたのが「アラブの春」であったが、春になったか?逆に更にカオスになっている。トランプ大統領に投票した人たちも同じで、これも本来のナショナリズムではない。

あくまで、グローバル化の煽りを受け社会から分断され、個人の殻に閉じこもるしかなくなり不安でどうしようもない状態から脱出しようとしもがいていたところに、アラブの春やトランプが登場し、それに衝動的に乗っかったに過ぎないのだ。

これは本来のナショナリズムとは別物であることを理解しないと、現状認識を誤り、未来に向けたあらゆる選択さへも間違ってしまいかねないだろう。

現代版ナショナリズムとも言っておくが、これらの特徴は、取り敢えず反対する。

とりあえず反対はするが代案がないってことだ。そこまで考えが及ばない。

モリカケ問題、反原発、安倍政権反対!とか叫んでる野党やメディアや反対運動に集まっている彼らを見ていてそう感じないか?

安倍政権打倒してどうする?石破?岸田?はぁ!?また暗黒のデフレ社会に戻りたいのだろうか?

今の不安、不満から逃れる手段を探しているなかで、たまたまナショナリズムっぽいものに彼らが衝動的に反応しているだけであって、その先の展望や代案などないのである。

グローバリゼーションが進めば進むほど、国民国家は液状化し慢性的に不安で長期的にストレスがかかることとなる。

そうなると人はどうなるか?

これは科学的にも常識だが、人は長期的なストレスに晒されると、理性を失い、衝動的、快楽、誘惑に負けやすくなってしまうのだ。

そう、人を人たらしめる理性が欠如した動物よりの野生人になってしまう。

逆にこのような現象から我々は何を求めているのかがわかるだろう。

自分の人生に直結したコミュニティを求めており、人はそういう中でしか生きていけないと、本能的に感じ取っているのではないだろうか。

しかし、それは単純に過去に戻ることを意味していない。

時代は螺旋的に発展すると、かのヘーゲルは言っていたが、これは時代を見る上で非常に重要な視点だ。

表面的には昔の様なリアルな絆で結ばれたものを求めている様に見えるが、これを現代的な解釈をする必要がある。

時代の流れに翻弄され不安の中にいる人たちは、自分では声にできない、言語化できない潜在的な欲求を抱えているのだ。

そして、それを感じとり、形にして、提供できる個人、企業が時代の覇者となっていくのだ。

誤解しないでほしいが、何も人も弱みにつけ込めとか、そういう話をしているのでは当然ない。

こういう発想が自分のビジネスのヒントになったり、時代を正しく見通せることで有利なポジションがとれるってことである。

現代の保護主義の本質わかればビジネスもイージーだ

人は経済的な不安、将来への不安など捉えどころのない不安に晒され続けると、自己の統一性・全体性といったアイデンティティが揺らぎ、本能的に自己の全体性を維持しようとする。

そう、自分探しだ。

色んなファクターから自分を見出そうと、留学や旅に出たり、ダンスや料理などお稽古、はたまた宗教などから自己を見出し全体性を維持しようとするのである。

しかし、そんなものはいつになっても見つからない。

あなたの統一されたアイデンティティは?なんて聞かれても答えられないだろ。

人は様々な場で異なった役割を演じており、それら全体で自己を形成しているのだから、全体の統一された自己など探しても見つからないのだ。

今この自己をバラバラにする最も大きな要因が、グローバル化やAIによる経済的な2極化の進行であり、この流れは止まらない。

社会から分断されアイデンティティ崩壊で不安な個人は、バラバラのパーツパーツを社会化(人との繋がり)し、存在論的に自分を安定させよと本能がそうさせるのである。

彼らにあなたらしいライフスタイルを実現とか、自分らしさを解放とか、これだっ!って強烈に思わせる何かを提供できる企業は強い。

その何かは個人化が進行した現代では人それぞれでバラバラであり、また、その何かは自分の人生と密着している方が強力なため、それは地域化、コミュニティ化しやすくなる。

これらを理解できると、アップルやフェイスブックが世界で爆発的に受け入られる理由もクリアーになるのではないか。

バラバラになった個人の多様性に応えるライフスタイルの提供ができると見せているアップルはアップル信者と呼ばれる巨大なコミュニティを構築するまでになった。

当然だが、アップル信者といっても、その中は一様でなく多様であり、その多様性に応える事ができるかが重要である。

フェイスブックも本質的には同様であり、バラバラになった個人は、そのパーツパーツから自己を見出し、社会化(人との繋がり)を求める本能があることを理解すればFacebookがグローバル化の進行とともにあっという間に世界的企業に成長したことも納得できるだろう。

保護主義は悪なのか?

反自由貿易主義、反グローバリズムである保護主義はあたかも悪であるかのような論調が世界的になされているが、これはイデオロギーの思想に洗脳された非常に危険な兆候である。

自由貿易主義者たちの理論的支柱は、スミスからはじまり、セー、そいてリカードが経済学上の論拠を完成させた比較優位の理論である。

これは、各国が相対的に安くつくることができる商品の生産に特化し他国の貿易をすべきであり、そうすれば全ての国が利益を得られる。全世界の生産の価値を最適化できる理論だ。

これは、伝統もありシンプルで美しい理論である。学者も世間もシンプルで美しい理論に魅了され栄誉を与える。

しかし、理論は汎用性を高めるために多くの事実もその過程で捨てている。

もちろん、無限にある事実を意味ある形に整理する理論がないと全ての事実が無意味になってしまうから、理論は非常に大切だ。

しかし、今の事実を踏まえない理論は空虚な絵空事で終わってしまう。

シンプルで美しい理論に現代的な解釈を加える必要がある。それで初めて、遺跡と化した理論が現代に甦るのだ。

少し抽象的な話になったが、比較優位の理論が現代に単純にフィットしないことくらい自分の身に置き換えて考えるとわかるはずだ。

例えば、最近はメガバンクの店舗を数年間の内に大幅に削減とニュースでよく目にするが、店舗運営しかしらない行員が明日からM&A部署に異動とか、クールジャパンのコンテンツ企業へ行ってくれと言われて、OK!はいはい!って何の抵抗もなく移動できる人がどれだけいるのか?

現時点で最も自分の中で(相対的に)得意な事しかしない人、国に豊かな未来はあるのか?

利権でがんじがらめの社会で、この産業は非効率だから明日から廃止するので、あっちの産業に移動してくださいって現実的か?

現実社会は理論通りにはいかないため、理論と現実の狭間で苦しむ人間が自由貿易主義、グローバリゼーションの進行で増えている。

トランプ大統領誕生は、その彼らの不満や不安への耐久度が臨界点に達した結果であり、これは偶然ではく時代の要請であり必然なのだ。

自由貿易バンザーイ!で全世界の価値が最適化などされるはずもなく、逆に一気にやり過ぎると社会の対応が遅れることから弊害の方が大きくなるのだ。

理論に現代的解釈を加えずに、イデオロギー(理論)に支配されていると、現実の対応を見誤ることとなる。

よって、今懸念されているトランプの保護主義的な対応は現実への対応であり、その対応の解は経済成長なのだから、メディアが煽る経済無視した貿易戦争などにはならない。

あくまで経済第一であることは米国も中国も日本も変わらないが、それがぶれてないと判断できれば問題なしだ。

アップルやフェイスブックが世界的に受け入れらるのも、現代版ナショナリズムが世界中で同時多発するもの、保護主義が台頭するのも、実は根底にあるのは同じなのだ。

グローバリゼーションの波で2極化が進行し経済的に困窮する人が増え、社会や個人がバラバラになるなか、人間としての本能が統一された自己を常に求めている。

統一性、全体性の自己を求めているのに、バラバラ化してる、このギャップをどう解釈するか?

この理解や解釈によって、世界の見え方が変わってくるだろう。

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