トランプノミクスで株高はいつまで続くのか?

トランプノミクス乗り遅れる投資家たち

 

 

先週末、日本株は一時日経平均株価が19,000円台を回復するなど連日年初来高値を更新している。

 

また、米国株も史上最高値を更新し先進国主導の株高が続いているが、トランプミクスの本尊である米株以上に日本株は上昇しているが、この傾向は今後更に加速するであろう。この理由は後述する。

 

しかし、今の株高、円安で全ての投資家がハッピーになっているわけではないだろう。

 

トランプ相場なんて単なる期待先行で実体が伴ってないバブルだろ?」とか、「トランプなんてクレイジーな奴を信用できねぇ」と、上昇しつ続ける相場を横目に自分を納得させようとする負け組投資家たち。

 

「過去のトレンドラインから買われ過ぎだろ、空売りだ!」とか、「景気の実態と比べると買われ過ぎだろ、空売りだ!」と、表面的な浅い思考から投資判断を下し担ぎ上げられ、含み損拡大から買い戻しを余儀なくさせられるカモ投資家たち。

 

ファンダメンタルからすると日本株はアンダーウェイトだろ!?」とグローバル運用の中で日本株を相対的に弱気を維持し、他社との相対的な運用パフォーマンスが悪化し焦るダメリーマンファンドマネジャーたち。

 

相場は、外野から見れば泣きあり、笑いありの人生劇場で面白いが、投資家からすれば無情で過酷な戦場なのだ。

 

 

 

トランプノミクスとはそもそも何?

 

 

 

トランプノミクスとは、ドナルド・トランプ次期大統領の経済政策を意味し、「トランプ」と「エコノミクス」を組み合わせた造語である。

 

このような「~ノミクス」の起源は、1980年代にアメリカ合衆国大統領のロナルド・レーガンがとったレーガノミクスである。

 

近年では、2012年12月に誕生した安倍晋三内閣の経済政策「アベノミクス」を連想する人も多いだろう。

 

トランプミクスはレーガノミクスは酷似しているとよく言われる。

 

確かに、経歴もレーガンは俳優、トランプは実業家と生粋の政治家出身とは異なり共に異色だ。

 

また、経済政策の面でも、大型減税、規制緩和、政府支出の拡大など共通する部分は大いにある

 

しかし、政策の中身はさることながら、その経済政策を導入するに至った経済状態が全く違うことや、FRBの金融政策の方向性も金融環境も大きく異なることから、安易にレーガノミクス再来など思考停止になっているとこれからの相場展開の予測を誤るであろう。

 

経済の前提条件の変化を踏まえた上で、経済政策の景気への効果、株などの資産へどんな順序でどう影響を与えるのかを読み解いていかなければ少数の勝ち組投資家にはなれないだろう。

 

 

 

トランプノミクスで日本株買いが加速!?

 

 

 

トランプミクスの本場の米国株は史上最高値を更新しているが、11/8の米大統領選トランプ勝利以降、実は代表的な株価指数の上昇率は倍以上と日本株の方が圧倒的に高いのである。

 

そう実はトランプミクス期待で株式市場へマネーが最も流入しているのが日本株なのだ。

 

まず、相場の大きな流れを頭に入れておくと、現状と今後の見通しもイメージしやすいだろう。

 

世界の株式市場がボトムをうち上昇に転じたのが今年の2月だ。

 

2月に何があったか?

 

年明け以降からの世界同時株安の中で欧州中央銀行の追加緩和強化を材料に株も原油価格も底入れした。

 

その後は、それまでの過度な懸念から株も原油も売られ過ぎた反動もあり上昇に転じたものの、6月23日の英国ブリグジット懸念から下落に転じた。

 

しかし、世間一般の懸念とは裏腹に6月23日の英国ブリグジット決定にて世界の株価は2番底をつけて上昇へ転じた。

 

この6月23日に株価底入れする材料は何であったか?

 

そう、英中央銀行による金融緩和の強化である。

 

日米欧と先進国中心に大規模金融緩和が続く中で、ネガティブイベントをきっかけに更なる金融緩和の強化期待が醸成され相場底入れへ繋がるのである。

 

なぜ、ブリグジットなどネガティブイベントが実際に決定されて株は上がるのか?

 

簡単なことだ。

 

経済危機、金融危機から相場が暴落するには絶対的な条件がある。

 

「流動性の枯渇」だ!

 

サブプライムショックやリーマンショックで企業の黒字倒産やら金融機関破綻を招き株価暴落を引き起こしたベースにあるのが流動性の枯渇であったことはまだ記憶に新しいだろう。

 

つまり、先進国中心にこれだけ大規模な金融緩和(流動性の供給)が実施され、しかもネガティブイベントがあれば更なる金融緩和の強化に動くとマーケットが信じている中では、例え英国でブリグジットになろうが既に売り材料は終了しているのだ。

 

だから、経済もマーケットメカニズムも理解してないメディアの危機を煽るだけの報道は現実も未来も正しく捉えることができないのである。

 

前置きが長くなってしまったが、ではなぜ日本株がトランプミクス本場の米国株よりも買いなのかその理由を説明しよう。

 

アベノミクスによる内需改善期待のみならず、トランプノミクスにより外需改善期待高まり、更に日銀の金融政策効果が外需改善を強化する状況となっているのだ。

 

そもそもトランプノミクスとアベノミクスは相性抜群の相思相愛なのだ。

 

伊勢志摩サミットで各国に内需拡大を促し、日本が率先して財政出動28兆円に動いたが、各国の動きは特にドイツを中心とした欧州は緊縮財政の呪縛に囚われ鈍かった。

 

しかし、超大国の米国がトランプ次期大統領誕生により1兆円強という巨額インフラ投資へ動き出した事で、緊縮財政から財政出動への流れは加速するだろう。

 

その兆しは既に緊縮の呪縛に囚われている欧州でもイタリア国民投票で現体制を否定する動きが出てきているではないか。

 

これまでリーマンショック以降、先進各国は低迷する経済に対応すべく金融緩和の強化を繰り返してきたが、これは金融緩和が経済に効果がないのではなく、緊縮財政の負の影響が金融緩和のプラス効果を相殺しているのである。

 

これだけ金融緩和を続けても低インフレで需要の回復も鈍いことから金融緩和は効果がないなどと主張するバカな知識人は多いが真に受けてはいけない。

 

仮に今、金融緩和を止めたらどうなる?

 

そう、株価は暴落するのは明らかだろう。

 

つまり、金融緩和は必須の経済の生命維持装置ということだ。

 

では、これまで金融緩和のプラス効果を相殺していた緊縮財政が反転し財政出動に転換すればどうなる?

 

金融政策と財政政策を同時に大規模に実施する政策をポリシーミックスという。

 

このポリシーミックスは金融政策と財政政策のお互いの政策効果を高める相乗効果があり、経済政策として最強なのである。

 

イメージとしては、

 

これまで 「金融政策-緊縮政策」⇔「2-1=1」

 

これから 「金融政策×財政政策」⇔「2×2=4」

 

金融政策をもっとも積極手にに実施している国は?

 

そう、日銀だ。

 

財政政策を積極的に実施する国は?

 

そう、日本が伊勢志摩サミットを皮切りに先行している。

 

更に、今回のトランプノミクスにて10年で1兆ドルどいう巨額インフラ投資計画から、米国内需活性化、米国債需給悪化から米国金利が上昇し急速にドル高が進行している。

 

一方で、日本は日銀のイールドカーブコントロールで金利水準の固定を行っており、日米金利差拡大から円安が加速し外需企業の業績改善させる要因となっている。

 

まさに、金融政策の効果がより顕在化する環境となっているのも日本なのだ。

 

どうだろうか?

 

米国は積極的な財政政策は実施する方向だが、金融政策は今後は金利の引き上げなど引き締めへ向かっていく。

 

つまり、「金融政策×財政政策」のポリシーミックスの政策効果が最も発揮されるのが日本だろう。

 

そして、投資判断は水準ではなく変化率を採り行く視点である。

 

つまり、既に景気改善水準が高い米国よりも、低インフレでGDP成長率が最も低くデフレから完全に脱却できていない日本の方が上値があるということだ。

 

そう、相対的な政策効果と上値余地からも日本株の魅力度が一気に高まっているのである。

 

それを理解している投資家は日本株を買いまくっているではないか。

 

 

 

トランプ相場で負ける投資家、勝つ投資家の視点とは?

 

 

 

日本株は連日上昇し先週末も日経平均株価は年初来高値を更新したが、誰が買っているのか?

 

日本株の上昇を主導しているのが外国人投資家であることは周知の事実である。

 

トランプ氏の米大統領選勝利以降、外国人投資家は日本株を現物と先物を合わすと3兆円以上買い越しているのだ!

 

これに売り向かっているのが個人投資家である。

 

特にトランプ相場で株価が急上昇する局面で売り越しており、信用売り残は7年3か月ぶりの高水準となっている。

 

なぜ個人投資家はこの上げ相場で現物売りや信用売りを浴びせるのか?

 

昔から個人投資家は逆張りの特性があるが、要は過去との価格の比較、つまり値動きに反応しているに過ぎないのだろう。

 

投資用語でカッコよく言えばテクニカル分析だ。

 

もう1つ、個人投資家に人気がある投資法として、ボトムアップリサーチがある。

 

四季報やアナリストレポートを読み込み、業績変化の大きな企業を探しだしたり、株主総会で経営者の生の声を聞き、決算説明会に参加することで、企業を深く理解しようと試みる。

 

こような銘柄選びが、日本では根強い人気のある個人投資家の投資スタイルだろう。

 

この投資法のベースにあるのが、 企業のビジネスモデル、特色、理念などを深く理解することが投資での成功を左右する主因だと信じていることだ。

 

そして、実はプロの運用の世界でも主流であるのが、このボトムアップ・リサーチなのである。

 

しかし、残念ながらこのボトムアップ・リサーチで他の投資家より株価の方向性をいち早く捉え、投資判断を下すことはできないのである。

 

これは現実をみれば容易に理解できるはずだ。

 

アナリストやエコノミストが、景気・相場の転換点で実際の株価動向よりいち早く業績変化を捉えてレーティングを変更することなどはぼ皆無ではないか。

 

まぁこれは当然だ。

 

なぜならば、そもそも、企業自体が計画修正を当たり前のようにするのだから、その企業への調査結果を大した分析もせず(できないのだが)、そのまま利用しているアナリストの予想など当たるはずもなく、それをベースに投資判断している個人投資家が稼げる可能性は限りなく低いのだ。

 

では、なぜアナリストの予想も企業の計画も当てにならないのか?

 

それは、マクロ環境の変化が見えてないからに他ならない。

 

少し考えればわかるが、企業業績は経済環境によって大きく 変化する。

 

このマクロ環境の変化によって企業業績が変化するのだから、まず分析すべきなのは、実はマクロ環境の方向性なのである。

 

経済状態の前提条件の変化をベースに投資分析をしなければ、投資判断を誤るだろう。

 

現在進行形のマクロ環境の変化が経済統計指標や企業会計の数値に反映するのは数カ月先なのだ。

 

数値に反映されていない変化を予測し、それをベースに投資判断をしなければ他の投資家を出し抜く事はできないのである。

 

トランプ相場以降の日本株買いは先物主導で発生していることからも、マクロ系ヘッジファンドが主導しているのは容易に想像できる。

 

ヘッジファンドの世界でジョージ・ソロスなどの大御所がマクロ系に多いのも、投資・投機でのトップダウンアプローチの有効性と無関係ではないのであろう。

 

マクロとミクロ、また政治や経済政策分析を交えながら投資判断を行っているツワモノ個人投資家など皆無とは言わないがごくごく少数だろう。

 

足下は個人投資家のショートで銀行株や資源株の売り残高が急増しているが、残念ながらこの売り投機も失敗し即死する可能性が高いだろう。

 

そもそも日本株のマーケットを支配しているのは売買代金の7割程度を占めるに至っている外国人投資家だ。

 

そう、相場のトレンドを作るのがこの外国人投資家なのだ。

 

少額の資金量しかもたない個人投資家が大きな波に逆らっても飲み込まれ溺死する可能性が高い。

 

もちろん、全てが外国人投資家が正しいと言うつもりは毛頭ない!

 

今年のヘッジファンドのパフォーマンス悪化からもレベルの低い外国人投資家も多く存在する事は確認できるが、今回のトランプ相場では彼らの投資判断が客観的に正しい可能性が高そうだ。

 

実は、外国人投資家は日本の文化や言い回しの裏を読めず実は日本の事をよくわかってないので、やはり日本の投資家の方が日本のマーケットでは優位なのだ。

 

しかし、マクロ分析や政治分析など投資リテラシー総合力ではまだまだ外国人投資家の方が勝っていると言わざるを得ないだろう。

 

 

 

トランプノミクス相場の日本株高は始まりに過ぎない!?

 

 

 

今の日本株上昇の原動力は何か?

 

そうだ、アベノミクスによるデフレ脱却期待とトランプノミクスによる海外景気底上げ期待がベースにある。

 

投資とは政治が大きく影響する事を理解しなければならない。

 

それは当然だろう。

 

政治が変われば採用する経済政策が変わり、その経済政策が経済状態、金融環境へ大きく影響を与えるのだから。

 

これは、安倍政権誕生で経済政策がこれまでの民主党のデフレ政策からインフレ政策へ一気にレジームチェンジし、またトランプ次期大統領誕生でも同様の事が発生していることからも容易に理解できるはずだ。

 

今の低インフレから高インフレへの政策が維持される限りは株は買いスタンスでいいだろう。

 

もちろん、株価は毎日上げる事はなく上下を繰り返すが、大きなトレンドが上か下かを理解できれば、そこが売りか買いかの判断の精度も向上するである。

 

株価は永遠には上げないので、株価がピークアウトし下落相場へ転じる環境を頭に入れておく必要はある。

 

株売りに転じる必要が発生する主なポイントを記載しておこう。

 

1、今のインフレ政策維持されない場合

 

2、短期金利が長期金利を上回る逆イールド

 

3、グローバルで日本株がオーバーウェイトになった時

 

上記1~3はまだまだ先だろう。

 

「1、」のインフレ政策はまさに始まったばかりだ。

 

「2、」の金利政策も今の様な低インフレ下かつ、日銀は目標物価に到達してもそれが確固たるものと判断できる状況になってはじめて金融を引き締めるとしたオーバーシュート型コミットメントを導入していることからも、拙速な金融引締め懸念の台頭は当面ないだろう。

 

また、米国FRBも需要の過熱を許容する高圧経済を掲げており、過度な早すぎる金融引き締めは日本同様にその可能性は低くまだ先だろう。

 

「3、」の日本株買いポジションの過熱感も、まだまだ日本株はグローバルではニュートラル近辺だ。

 

そして、国内でも個人投資家が売り、年金も若干売り越している事からもまだまだ需給にも余裕があるのだ。

 

「相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」

 

これは、アメリカの著名投資家ジョン・テンプルトンの言葉だが、今の日本株は懐疑の中で育っている局面だろう。

 

全員が買いと判断すれば、更に買う投資家がいなくなり株価は天井を付けて下落相場へ転じる。

 

80年バブルの時、株とは無縁の買い物籠を持った主婦がNTT株などに手を出していたが、まさに末端の投資家層まで強気になっており、総強気が相場の終わりを示す良い例だろう。

 

トランプノミクスの株高はいつまで続くのかって?

 

そう、日本株ラリーはまだ始まったばかりの可能性が高そうである。

3 件のコメント

  • 真田様

    はじめまして、脇田と申します。
    小雪さんのメルマガで真田さんのブログを知り、以降勉強させていただいております。

    リーマンショック後、大前研一さん主催のWEB講座を受講し、資産運用の基礎を学びました。
    その後は、宮島秀直さんのレポートや山崎元さんの著書を参考に、長期投資をしております。

    真田さんの記事を参考にトランプノミクスに乗らなければと思っています。
    これからもブログ更新を楽しみにしております。
    よろしくお願いいたします。

    脇田

    • 脇田様
      コメントありがとうございます。
      運用に関し色々勉強されているのですね。
      私も学びたい事が多すぎて、特に相場に携っていると様々な切り口で
      調べるアイデアや深堀したい分野も出てきて退屈しません。
      長期投資こそ個人の最大の武器だと思ってますが、一方で
      間違った銘柄選択しているにも拘わらず、長期投資だからといって
      ずっと保有してしまうリスクもあります。
      投資は時間軸の区切り方で結果は如何様にでもなりますし、主張することができます。
      誰の言葉が真実かを見極めるには、目先の結果や遠い未来の結果ではなく、
      その主張の論理が現実と見比べて正しいのか、どうゆう思考回路で投資判断を
      しているのかを見極める必要があります。
      投資の世界は朝令暮改は当たり前ですが、何を軸に投資判断を変えたのかを
      理解していなければ、場当たり的に意見をコロコロ変える著名人やメディアに
      振り回されかねません。
      お互いもっともっと学び進化していきましょう!

      • 真田様

        ご返信ありがとうございます。
        日々さまざまなシナリオを想定し、中期的株価予想に励んでおります。
        アメリカはもとより、欧州の不安定要因が株価や為替にどのように影響してくるか。
        自分なりの投資基準を確立すべく、経験値を高めていきたいと思います。

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