なぜ失業率低下でも給料は上がらない?

働き方改革で残業代が激減し給料が減少したにも拘らず、仕事量(密度)が増え、しかも残業などせずに早く帰れ圧力で「ふざけんな!」と理不尽なストレス感じているあなた!

実はこれまで相対的に幸せだった人達なのだよ。

今回は、完全雇用と言われる日本でなぜ賃金上昇率が鈍いのか、賃金がこれから上昇するための条件、経済状況を説明する。

これを理解すれば、鬱屈とした今の状況を正しく理解できることではじめて、各々の状況に応じた最善策が見えてくるはずだ。

なぜ給料は上がらない?その理由とは

働き方改革で利を得る者がいる一方で、貧乏くじを引いている者もいる。

正社員で残業代を貰える立場の中堅以下が割を喰い、逆に割がいいのが非組合の40代後半の正社員と派遣社員やパートなどの非正社員なのだ。

非組合員の相対的に給料が高い正社員の彼らは残業が減っても給料は変わらないし、逆に仕事量も後輩や部下に押し付けて逆に減っている人もいるのでないか?

皆自分が可愛いものだし、サラリーマンなんて如何に人より自分が楽をするかって発想の人間が殆どだろう(もちろん全てではない)。

まさに先行者メリットを享受している層が確実に存在する。

一方で、派遣社員やパートの方の給料が同一労働同一賃金の精神のもとで、上がるのは正しく正常なことだと思う。

寧ろ今まで最も理不尽な思いをしてきた層に違いない。正社員以上に働き優秀な人も相当数いることは筆者も目にしてきたから間違いない。

よって、最も割を喰っているのが、一昔の40代ならば昇格や昇給で賃金が上昇するはずだったのに、昇給や昇格はおろか、残業代も削られて給料の絶対水準が下がり、しかも短時間で大量の仕事をこなせと迫られている40代の残業代付く正社員であり、まさに貧乏くじ世代だろう。

ふ、ふ、ふ、ふざけるな!って感じですね^^

休む暇もなく、常にフル稼働で密度の濃い仕事を強制される今一番苦しい層といって間違いないだろう。

しかし、自分の現状からピンとこない人もいるかもしれないが、実は労働者全体の給与総額は、労働市場への回帰組と非正社員の給料のボトムアップをベースに増加しているのだ。

そう、現在は労働市場のスラック(緩み、余剰資源)がまだ残っているから、労働者の価格である賃金が上昇しないのである。

給料上がらないなら転職してやる!?

年収ダウンで人手不足の中、仕事量が増える状況に直面すれば、多くの人がこう思うだろう。

有効求人倍率も1.51倍とバブル期の絶頂期を上回る状況なんだから、「こんな会社辞めてやるわ!転職だ!」とね。

しかし、残念ながら給料アップでの転職が難しいのが現状だ。

確かに、一部の業界では運送や建設など人手不足が顕著であり、また失業率も3%を割るなど労働者に有利な状況に見えるが、それでも賃金アップの転職は難しいのだ。

なぜか?

賃金を引き上げてまで人手を確保しようとする動きにはなっていない

人手不足なのに?

そう、それでも人手を確保できるのだ。

どういうことか?

労働参加率がアベノミクス以降に59%をボトムに一貫して回復し、職探しを諦めていた人が労働市場に戻ってきている

しかも、この労働参加率の改善を主導しているのが女性、主婦のためパートや派遣など賃金水準が低い層なのだ。

つまり、良くて正社員での採用であり、平均的な正社員以上の高給で新規採用する状況にはまだ至ってないのである。

よって、給料上がらずモチベーションが下がりやる気が無くなったからといって、会社を安易に辞めることなどは愚の骨頂だろう。

給料アップで転職できる人はいることにはいるが、それはまだまだ少数派であり、まだ時代の本流ではないことを理解せねば、痛い目に合うだろう。

もう給料は上がらないのか?

低失業率の状況でも、労働市場への労働者の回帰や、パートの正社員化などから現状の正社員の賃金が上がらない理由はわかって頂けただろうが、では、これからも給料は上がらず安いままなのか?

そうであれば絶望的でお先真っ暗だが、それは杞憂であり期待していいだろう。

アベノミクスが継続すれば、そう遠くない未来に賃金は急上昇するのだから!

フィリップス曲線という言葉を少し経済学をかじった事がある方なら耳にしたことがあるはずだ。


上記の図を見て解るだろうが、通常は失業率が低下するほど賃金上昇するのだが、注目すべきはそのカーブの形状だ。

フィリップス曲線は失業率が高い局面でフラットニング(横ばい)、低い局面でスティープ化(傾斜が急確度)する。

失業率低下がある臨界点を超えると賃金上昇のカーブが急確度に上昇するのだ。

そう、今はこの賃金上昇の臨界点が従来よりも左側に寄り、まだその閾値に達していないのである。

だが、今の経済回復が持続すれば間違いなく賃金上昇の臨界点を突破し、給料が急上昇するだろう。

転職に有利なベストの時期とは?

今はまだ、給料アップでの転職は難しいが、賃金上昇の臨界点を突破した経済状態になれば、転職市場の流動性も増し、まさに賃金アップで転職ができる好機となるだろう。

そして、転職市場の活性化が企業の新陳代謝を促進し、更に日本経済へプラスとなる好循環となるのである。

今、人手不足に陥っている業種は飲食・宿泊サービスや建設、運輸など生産効率が悪い労働集約型の産業だ。

その象徴的な事象の一つがヤマト運輸の人手不足だが、ヤマト運輸の業績はどうだ?

需要逼迫で人手不足なのに業績は悪化しているではないか!

業績悪化で利益増えてないのに賃金など上昇はしない

しかし、何れ今の様な景気回復が持続すれば、この様な生産効率が悪い労働集約型産業もIT投資を増やし生産効率が上昇することで、売上増が利益増となり、賃金上昇へ繋がっていくこととなる。

一方で、金融や製造業など資本集約型の生産効率の高い業種は、今もなお人手不足ではないのだ。

もちろん、これら生産効率が相対的に高い金融などでも更なる効率化を図っているから現場の人間は疲弊しているが、まだまだやっていけるレベルだと経営者は考えている。

だから、これだけ有効求人倍率が高く、失業率も歴史的な低水準にもかかわらず、人材の流動化は活性化しないから、実は転職市場は正社員からすれば売り手市場でも何でもないのだ。

実際に最近、転職活動をした人からもそのような話をよく聞く。

まだ賃金上昇が本格化する経済状態にはなっていないため、転職活動する有利でベストな時期とはなっていないのである。

いつ給料は上がるのか?

これだけ失業率が下がり、一部業種では人手不足に陥っている中、賃金が上がらない理由はわかって頂けただろうが、では一体いつ給料は上がりはじめるのか?

それは、経営者のデフレマインドが払拭され、インフレ経済への移行が意識され始めた時である。

当たり前の事だと思うかもしれないが、これを腑に落ちるレベルで理解できている者は少ない。

例えば、現在、政府が旗を振って働き方改革により生産性の向上を主導しているが、これも殆どの企業ではコストカットの域を出ていない

つまり、これまで2人でしていた仕事を1人でできるように、今の景気回復による仕事量の増加を吸収しようとしているレベルに留まっているのだ。

これが、コスト(人件費)を増加させても、更なるトップライン(売上)の伸びでコストを吸収できると経営者が確信を持てば、賃金を上げてでも優秀な人材を確保する動きとなる

そうすると、GDPの6割を占める個人消費が更に活気づき、企業の売り上げも利益も伸び、更にそれが従業員(同時に消費者)に還元される好循環が生まれる。

まさに、これが経済が持続的に拡大するインフレ経済というやつだ。

今はまだ日本全体が20年近く続いたデフレの呪縛から逃れられずにいる。

アベノミクス前の日本は20年もの間GDPが増えなかったが、これは企業で例えると、売り上げが伸びない状態である。

売上が伸びないなら、経営者はどういう行動をとるか?

そう、最大のコストである人件費を抑制するのは当然だろう。

しかし、現在は賃金が上がるインフレ経済へ順調に日本は歩んでいる。

本当かって?

例えば、物の価格が上昇する場合はまずはどういう経済状態となる?

そう、まずは物が売れる量が増える。

そして、売れる量が供給量の一定の臨界点に達すると、そこではじめて価格が上昇するのだ。

これを労働者の価格である賃金に当てはめると容易に理解できるだろう。

まずは、量である人の採用が増加し(労働参加率の上昇と失業率低下)、労働市場のスラック(余剰資源)が解消されて、ようやく賃上げが本格化するのである。

今まさに日本はアベノミクスでこのインフレ経済へ確実に歩みを進めているのだ。

 

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