なぜ地政学リスクで円高株安に?株は買いだ!

米中首脳会談中のシリア攻撃から北朝鮮問題による地政学的リスクによるリスクオフがメディアを通じて頻繁に報道されている。

そして、プロの市場関係者を含め多くの投資家は、メディアの報道を真に受け、この地政学リスクがマーケットの大きな懸念材料でだと信じているようだが、こんないい加減な指摘に沿って投資戦略を構築していると負け組投資家になってしまうだろう。

地政学リスクと為替と株の関係

先週はドル円が110円を割り109円前後まで円高となり、日経平均株価も年初来安値を更新した。

この円高日本株安は北朝鮮やシリア情勢が問題となり地政学リスクが高まったことによる影響だと世間一般では認識されているが、これは全く正しい理解ではない。

北朝鮮情勢の緊迫から、本当に地政学リスクが意識されているのなら、本来ならば円安(日本売り)となるはずだ。

しかも、北朝鮮近隣の日本株以外のアジア株は上昇している。

それなのに、地政学リスクでリスクオフっておかしいだろ?

もちろん、北朝鮮やシリア情勢を材料に仕掛けている投機筋や群衆投資家がいるため、地政学リスクによるリスクオフで円高株安を後押ししている面はあるにはあるが、あくまでメディアを利用し騒ぐことで群衆を巻き込もうとしている傍流である。

ネット社会が進むほど投資の群衆行動は大規模化しやすくなっており、さらにその群衆行動を利用するAIを搭載したシステムトレードが相場に跋扈しているため、相場が上にも下にもオーバーシュートしやすくなっているのだ。

しかし、そういった短期筋や群衆投資家が作る相場は傍流であるため、遅かれ早かれ本流に沿った相場展開に回帰することとなる。

過去に地政学リスクで株価への影響は?

過去に地政学リスクが発生した際にリスクオフになったではないかと主張する者もいるだろうが、それは単なる偶然だ

湾岸戦争、9.11米同時多発テロ、イラク戦争の局面を振り返ってみよう。

まず、イラク戦争は開戦が2003年3月20日であったが、開戦前までの数カ月は日米共に株は下落していた。

しかし、2003年はりそな銀行が3月に実質国有化されるなど日本では極度の金融不安の時期であり、株価下落はイラク戦争による地政学リスクではなかったのだ。

だからこそ、翌月の4月以降からはイラク開戦後でも金融不安大幅後退を材料に株価は大幅な上昇に転じている。

2001年9月の9.11米同時多発テロは事前に予見できない突発的な事象であるため、発生後に瞬間的に大幅に株価は下落したが、そこがボトムとなっている。

1991年1月17日に発生した湾岸戦争も、発生前までの数カ月は日本株のみ下落していたが、これも地政学リスクで株価が下落していたのではなく、日本はまさにバブル崩壊で景気後退に入る局面であったからである。

湾岸戦争の当事者の米国では株価は湾岸戦争のリスクを感じても下落しなかったことからも、地政学リスクでリスクオフになったのではないと理解できるだろう。

これでわかっただろうか?

過去の地政学リスクが高まった局面でも、それが原因で株価が下落したのではない。

地政学的リスクが発生しリスクオフになったのではなく、同時期に第3の要因があり、その影響でリスクオフになったのであり、その期間は地政学リスクとリスクオフ(株式の下落)に相関関係は存在したが、因果関係はないということである。

もちろん、勘違いした群衆投資家やそれをネタに売る投機家の影響はあったが、あくまでそれはノイズであり、トレンドを形成する因果関係にはならないのだ。

あの賢明な大投資家ウォーレン・バフェットも地政学リスクは株式の上昇トレンドに影響を与えないと言っていた。

北朝鮮リスク高まっても円買いの理由とは

米国長期金利の低下こそが、日本国内の不都合なメカニズムにより円高を加速させ日本株安の原因となっている。

日本国内の不都合なメカニズムとは、日銀によるYCC(イールドカーブコントロール)である。

つまり、米国長期金利低下しても日銀のYCCで日本の長期金利は低下しないため日米金利差縮小から円高が意識されやすくなるのだ。

これは、昨年11月からのトランプ相場では米国長期金利上昇でも日本の金利は日銀のYCCで金利が固定され日米金利差拡大から円安となり、それが日本株高を後押ししていただろう。

今はこれまでの好循環が逆回転し、悪循環のサイクルに嵌っているのであって、地政学的リスクによるリスクオフで円高株安ではないのだ。

しかも、今期の日本企業の為替想定レートは109円台後半であるため、この想定レート、割る水準まで円高となったことで、更に日本株売りを仕掛ける投資家も増えたのだろう。

だが、株価は遅かれ早かれファンダメンタルに沿った価格形成に収斂する。

そして、日米ともにファンファメタルが回復する傾向に変化はないのだ。

しかし、ここもと円高株安が続いている。

なぜか?

それは、期待の時間軸が変動したからである。

トランプ大統領の大規模減税、インフラ投資の実現が当初想定より後退したため、短期投資家が売っているのだ。

プロの運用の世界は短期パフォーマンスを投資家かから求められる傾向が年々強くなっているため、どうしても期待値の時間軸が少し前後しただけでポジションの変更をするファンドが増えている。

しかし、期待の実現の方向性は変わってないのだから、遅かれ早かれ株価はファンダメンタル改善が近づくことで、アップサイドへの修正を余儀なくされることは目に見えている。

だがら、バフェットのような一流長期投資家はバリューハンティングできる下落相場が大好きなのだ。

北朝鮮とアメリカの戦争の可能性

世界の警察やらないとトランプ大統領は米選挙中から公言していた。なのに、シリア攻撃や北朝鮮問題へ介入するなどおかしいと思わないか?

アサド政権が子供に化学兵器を使ったから?

北朝鮮が核武装をしようとしアジアの平和が乱されるから?

アメリカは北朝鮮の核武装が脅威でアジアの平和が崩れるのを懸念しているのか?

違う!

トランプ大統領の行動、発言は全て、アメリカファーストがベースにあるのだ。

ならば、今回のシリア攻撃や北朝鮮問題への介入の本当の狙いは?

本星は中国であることは間違いないだろう。

トランプ大統領にとって、北朝鮮やシリアの問題は、米国が中国に対する貿易不均衡を是正を迫る為の単なる駆け引きのカードに過ぎないのだ。

そして、トランプ大統領が掲げるアメリカファーストは経済成長を意味することを忘れてはならない。

よって、今メディアで報道されているような地政学リスクが現実化する事にはならないため(絶対とは言わないが)、地政学リスクを材料にした投機筋の売りも早晩一巡するだろう。

ネガティブな材料に反応しやすい今のようなマーケット環境では、買い手が薄いため、群衆投資家の失望売りを巻き込み売り崩しを行うことで、短期的に大幅下落してしまうのである。

しかし、本物の投資家は地政学リスクが相場を下落させる本質的な要因ではないことを十分に理解しており、その後の手仕舞い(買戻し)も速やかに行うことから、株価指数はすんなりと戻すこととなるだろう。

実際に、過去の地政学リスクが意識された湾岸戦争やイラク戦争の局面でも開戦後に株価が急激に戻ったが、それは上記の様な本質的な売りでない買戻しが発生するからである。

何度も言うが、これらは単に地政学リスクを材料に投機筋が短期勝負で仕掛けていることと、AI搭載クオンツトレードの影響で、オーバーシュート的に円高日本株安となっているだけであり、トレンドを転換させるものでもなんでもない。

これまでも何度も言っているが、日本株、米国株式中心に大相場へ順調に向かっている見方に変更はない。

なぜならば、米国金利上昇へ遅かれ早かれ転換する経済状態が維持されているのだから。

また、地政学リスクを材料にして売っている投機家が存在するため、その後の戻りもさらに期待できる局面がまさに今迫っているだろう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です