現実理解こそが一流投資家の条件だ

凄まじいテクノジーの進化が指数関数的なスピードで起こっており、あらゆる産業でコンピューターの存在が大きくなってきています。

このロボットの脅威は投資業界でも進行しており、人工知能を搭載したコンピューター売買が激増しています。

アルゴリズム戦争と揶揄されますが、その性能はある意味で凄いですね。一昔前の自動売買のイメージとはレベルが違います。

今のアルゴリズムを組んだシステム売買は、超高速エンジンの売買スピードであり、スピードの遅い従来の年金や投信などの大口投資家の注文の前に一足先に横入りし、すかさずその後ろから来た注文者に売りつけ、小さな値幅を高速回転で積み上げていくのです。

こんなの投資でもなく、単なるコンピューターの性能を競っているに過ぎず、彼らアルゴトレーダーからすれば流動性を供給しているといった大義名分がある様ですが、ほぼ害以外の何物でもないでしょう。

近年は米国の雇用統計など重要な統計指標の発表があった瞬間にマーケットは大変動しますね。

不思議に思いませんか?

そう、彼らアルゴリズムトレーダーは、統計数値の内容などロクに分析せずに、市場予想を上回ったか下回ったかといった程度のプログラムなのです。

まさに、彼らは経済予測のプロではなくど素人なのです。

しかし、性能の高い超高速システムを搭載しているアルゴトレーダーはかなりの確率で勝っています。

なぜか?

そう、市場参加者の多くが統計指標の数値が予想より良かった悪かったで判断するど素人の群衆だから、スピードしか能が無い陳腐なシステムでも勝つ可能性が高いのです。

近年のこのボラティリティの高さは、まさに彼らコンピューター売買のアルゴリズムがどこもかしこも類似し溢れかえっているからにほかならないのです。

こんなデタラメなリスクの高いマーケットが続けば、参加者も減少するわ、注文の横入り泥棒投資家が得するわで、健全な環境が保持されず廃れていく可能性すらあります。

では、私達個人投資家が最新のテクノロジーを搭載した機械に勝つことはできないのでしょうか?

No!!!

実は、最新のロボットトレーダーも大した存在ではないのです。

なんせ、彼らは投資家ではないのですから。

理数系の天才達が編み出したアルゴリズム取引は、人知を超えた凄いものだと思っている人も多いようですが。

現在、ウォール街を支配しているのは、経済学者ではなく一流の数学者や、プログラマー、物理学者、ハッカーたちだと揶揄されています。

しかし、これはあまりにも危険です!

彼ら高頻度取引( HFT)トレーダーは、相場パターン予測力とスピードを追求しており、経済予測などさらさらする気はないのです。

 

一方で、数理分析や統計分析で経済を予測できると思っている天才学者も存在します。

もちろん、数理分析や統計分析を学ぶ事は大切ですが、それで投資予測、経済予測ができるなどと思うのは大間違いなのです。

かつて、ノーベル経済学賞を受賞した学者達が運用すると話題となったLTCMはどうなったでしょうか?

リーマンショックの時、一流の投資銀行であるゴールドマンサックスのクオンツファンドはどうなったでしょうか?

そう、壊滅!

偉大な数学者、一流プログラマーほど、実際の経済を数理分析に頼る危険性を指摘しています。

かのジョン・メイナード・ケインズも数学を深く学んだ偉大な経済学者かつ偉大な投資家でしたが、数学に通じているからこそ、数理分析に依存した投資の危険性に気付いていたのです。

現実世界を蔑にした分析は遅かれ早かれ必ず間違うのです。

経済学は社会科学なのだから、様々な社会問題や教養、文化、人々の価値観など数値の原因である人間を理解しなければ正しく現状把握はできないのです。

サブプライムショックなんてものは、まさに現実感が全くない、勉強だけはできるエリートがもたらしたものだったのです。

倒産確率が10%の2つの債権をパックにすれば、10%×10%で1%へ急激に低下します。これをどんどん混ぜ込んでいくとどうなるかわかるでしょう。

この単純計算に基づきジャンク債を最上級の格付けの債権に作り替え、深く考えない陳腐な投資家たちが飛びついたのです。

不動産市況が悪化すれば不動産ローンはAもBもどちらも影響を受けるため、本来は互いに影響しない債権でないと倒産確率は低下しないのですが、デタラメな統計分析でメッキのトリプルAをでっち上げたのです。

僅かな知性があれば、パッケージの中の債権が一斉に風邪を拗らせるくらいわかるはずだったのです。

過去の錆びれた教科書の知識をそのまま現実に当てはめて、データや数値が全てと思い込み現実の経済が見えてなかったのが、サブプライムで引っかかったヘッジファンドや金融機関なのです。

多くのファンドでリスク管理のシミュレーションで使われるものに、正規分布があります。CAPMやVaRやブラックショールズモデルも正規分布を前提にしています。

しかし、これらは各確率分布が互いに独立し影響を与えないという前提なのですが、現実の株式市場でお互いに影響しせず投資行動をするなんてことはありえないですね。

信用取引の維持率に耐えられず、自分の意向に反し市場からのプレッシャーで投げるらざるおえないことだってあるのですから。

正規分布には長期では実現するのですが、それまでには様々な形状の分布を経てきているのです。

実は、この長期がクセモノなのです。

ケインズの言葉を借りると、いずれは長期均衡するだろうが、その時には人は死んでいるのです。

人には寿命があり、強烈な暴落をくらえば、持ちこたえられずそこでジエンドとなることも多々あるのです。

リーマンショックの強烈な暴落でファンド閉鎖になったヘッジファンドや個人投資家でも壊滅的な打撃を受け退場した投資家は多くいたでしょう。

過去の使えない知識をそのまま鵜呑みにして、頭使わず長期投資は有効だなんて考えは危険なのです。

しかも、現在の様に類似したアルゴリズム取引やクオンツ運用が跋扈するマーケットでは、短期的に予想以上にオーバーシュートする事が珍しくないのです。

だからこそ、経済分析、投資分析ができる本物の投資家であればこれまで以上に収益チャンスが生まれるのですが。

ボラティリティは収益源となるのですが、これを収益に転嫁できるのは本物の投資家だけなのです。

今こそ私達は精度の高い投資分析ができる能力を身に付けなければ生き残ることすら難しいでしょう。

テクノロジーがどれだけ進化していようが、まだまだこの投資の世界ではヒューマンバイオ(脳)コンピューターの方が上のなのですから。

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