AI時代に生き残る仕事、職業とは?

AI(人工知能)による社会構造の変化が徐々に我々の目にも見える程に進化してきており、自分や子供の将来に不安や悩みを抱えている人も多いだろう。

これまでも社会は止まることなく変化し続けてきたが、その変化が緩やかであったから我々は対応可能であり問題にはならなかった。

しかし、今は人類が経験したことのないスピードでパラダイムシフトが起こっており、この変化のスピードに個人も社会も対応が遅れることで、苦しむ人が増えてきているのだ。

既存の仕事がAIに急速とって代わる新たなパラダイムに向けて、我々は自分の生活を守るためにどう対応していけばいいのかを考えてみたい。

AIによる経済構造の変化

現在、先進各国を中心として取り組んでいる経済問題をご存じだろうか?

それは、低インフレからの脱却であり、需要の引き上げである。

供給量に対して需要が少ないから物価上昇が弱いのだが、では、なぜ需要が供給に対し弱い状況が続いているのか?

簡略化した以下の公式を見てほしい。

Y(総生産)=L(労働)+K(資本:機械)

労働と資本によって生産物(付加価値)を生み出すが、労働によるアウトプットの割合が1970年代以降減少し続けている。

これは何となくの感覚でも理解できるのではないか。

特に産業革命以降、機械化が進み、90年代のIT革命で更に加速し、そしてAIやビッグデータで人類は新たなステージに向かっている。

人へ投資するよりも広い意味での資本(K)へ投資する方がリターンが良いのだ。

よって、企業レベルでは、利益(付加価値)の分配が、「L(労働)<K(資本)」となり、労働者への分配が減少し続けているのだ。

しかし、この労働者への分配が減少し続けることで、ある問題が世界中で引き起こされているだろう。

そう、経済格差だ。

以前、フラット化する世界という本がベストセラーになってたが、あれは下の層でフラット化するということであり、所得格差の拡大は一部の勝ち組と大多数の負け組に分れることを意味する。

一部の少数の勝ち組は10人分の所得を得たとしても、10人分の食事やテレビ10台など消費をするだろうか?

否である。

マスである中間所得者以下の層の所得拡大がかつての日本や中国、インドなど新興国の奇跡の経済発展を牽引したことは常識だろう。

よって、テクノロジーの進化で労働者への利益分配率が減少し所得格差が拡大することで、中間所得者以下の層が崩壊し需要が低迷、結果的に物価上昇が抑制されているのだ。

AIが生む経済格差の解決策

所得格差問題の原因は先述した通りだが、この格差問題への解決策の一つをトマ・ピケティが「21世紀の資本」で示していただろう。

そう、所得の再配分である。

ピケティは格差拡大を問題視し、その格差拡大の是正にはボリュームゾーンである低・中間所得者層の所得水準を高めるために、

まずは高い経済成長が必要

であると主張している。

経済格差は、1970年代以降続いているが、景気後退や低成長の局面で拡大することが顕著であるため、高い経済成長によって、格差が拡大する中でも、低・中所得者層の所得の絶対水準の引き上げが必要なのである。

しかし、高い経済成長だけでは格差は是正されないため、税金を通じた再分配が格差解消に繋がるとしているのだ。

もちろん、グローバルで税制を合わせる事などハードルが高いため、ピケティの主張がそのまま現実的な解に直ぐになるとは思わないが、方向性は正しいだろう。

トランプ大統領の強引な米国への投資拡大を通じた雇用創出も、格差問題が極限まで深刻になってきたことによる反動の社会現象だろう。

また、最低限所得保証制度の1つであるベーシックインカムが各国で採用が検討されている。

K(資本、機械、AI)に職を奪われた人達へのセーフティーネットは、トランプ大統領の強引な雇用創出から、徐々にこのベーシックインカムの様な性質を有する所得再分配政策がスタンダードになっていくだろう。

AIにより職を奪われ失業者が大量に発生すれば需給ギャップ拡大で景気が悪化し、テクノロジーの進歩自体が停滞することとなるため、これを政策で回避するには所得再分配が必要とならざるを得ないだろう。

もちろん、トランプ政策によるオールドエコノミーの雇用創出はダイレクトな即効効果があり、早すぎる社会構造の変化に対応できない人達への対応をしなければ、景気自体が悪化するため、このパラダイムシフトへの過渡期には必要な政策だろう。

しかし、強引な雇用創出策は、本来なら機械への投資の方がリターンが高いのに、凡庸な人を強引に増やす事で効率が悪くなれば、結局はリターンは低下することとなるのだから、あくまで社会の制度や法や価値観など現実の対応がテクノロジーの進化に追い付くまでの一時的な対応なのだ。

生産効率を下げる人材ならば、その人を無理に働かせないで、その人の最低保障分を企業は税等で徴収されても、企業にとってはそれが合理的選択である程にAIは進化していくだろう。

AI時代に稼げる職業

人工知能の発達により既存の仕事の殆どはなくなるのは間違いないだろう。

しかし、同時に今は想像もつかないような新たな仕事も生まれることとなる。

AI(人工知能)ではできない人間にしかできないスキルを身に付けろ!って簡単には言えるが、それを実践できる人間も少数だろうから、このテクノロジーの進化の過渡期では格差社会が到来する可能性が今のままでは高そうだ。

しかし、一方で実はこの労働者の所得格差を大した技能を持たない人でも埋める事ができる社会がAIにより到来することとなると思われる。

先述した以下の公式にそのヒントが隠されている。

Y(総生産)=L(労働)×K(資本)。

AIによりL(労働)への分配が減少するならば、そんなパイが縮小する労働者のところに行かずにパイが貰えるところに行けばいい

Yをミクロ的に企業の利益に

置き換え考えると・・・?

そう、企業に投資すれば、分配が極限まで増額されるK(資本)を配当金や株価上昇でその恩恵を享受することが可能となるのだ。

テクノロジーの進化でL(労働)への投資がゼロに近づいていきK(資本)への投資が有利になる中で、雇われ労働者で勝ち残るのは少数の特異な人達だ。

もちろん、その少数の特異な側で戦うのも良いが、同時に大きな時代の流れと次のパラダイムを構造的に把握し、投資家になるメリットや価値を理解し、備えをしても損はないだろう。

2045年にAIが人類全体の総和の知能を凌駕するシンギュラリティ(技術的特異点)が起こると言われており、そうなれば人間の仕事は全てAIに代替されるが、本当にそうなるかは誰もわからないし、決め打ちは危険だ。

常に現実を観察しあらゆる可能性を想定しながら、最も可能性の高いシナリオに沿って投資も人生も戦略を立てねばならない。

シンギュラリティが現実のものになるかはわからないが、人の働く時間が圧倒的に減少しAIにとって代わるのは確実だろう。

そして、この圧倒的な変化のスピードが、失業者を増加させ、ベーシックインカムなど制度対応も遅れる事で、新たな時代の幕開けの前に苦しむ人が増える可能性が高い。

まさに、ヨーゼフ・シュンペーターが提唱した創造的破壊であり、これまでの古い非効率なものは新たな効率的なものに駆逐されるのだ。

もちろん、このパラダイムシフトの過渡期を生き抜く解は複数あり、投資家という選択はあくまでその一つだ。

しかし、一流投資家への歩みは、AI時代でも通用する様々なスキルを身に付けるベースに繋がるのだと思っている。

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